熊本県指定史跡 相良家墓地

 相良家一族の墓地は、願成寺の他に中尾山・端祥寺・富ヶ尾・八代・東京にある。また、供養の ための墓地が、多良木町久米熊野座神社入口、同町蓮花寺跡、同町青蓮寺、上村麓等、郡内の各地に 存在している。

 願成寺の相良家墓地は、歴代の相良家当主の他、その夫人や子供および相良家の家臣の墓が営まれ ており、その総数は249基数え、最も規模が大きい。それは願成寺が鎌倉時代の創建以来、相良家の 菩提寺(祈祷寺)としての寺格にあったためである。

 石塔は3基の宝篋印(ほうきょういん)塔と3基の近代式角柱塔を除き、全て五輪塔形式をとっている。 これらは戦国時代以前のものは小型であるが、江戸時代以降に建立された石塔は、規模も大きく、 墓前の石橙籠共に調和のとれた配置がなされている。

 また、墓地の正面入口にある初代長頼公の墓は、元々願成寺金堂前に営まれていたが、明治10年の 西南の役で願成寺が焼失したのちの明治19年になって、その金堂跡に36代の相良頼紹公によって再建 されたものである。

 なお、相良家墓地の右手にある願成寺僧侶墓地には、願成寺関係の僧侶の五輪塔・無縫塔等による 石塔群があるほか、相良家一族の墓が営まれている。